法務局の自筆証書遺言書保管制度、ぜひご検討ください。

2025.1.24
先日、自筆証書遺言を法務局に預けるためのご同行で、地方法務局へ行ってきました。
遺言書は、法的に有効な形をとるためには書き方のルールを守らなければなりません。
それに加え、法務局の遺言書保管制度利用時には、遺言書の用紙サイズや空白など細かい書式の指定があります。
その他にも、申請書類の作成や回収など、実際に一つ一つを確認しながら進めていくのは大変な作業だとお感じになる方も多いと思います。ご高齢の方がご自身でなさるのであれば、尚更です。
ただ、この保管制度は、遺言者にとっても相続人(残されたご家族等)にとってもメリットが大きい制度です。
まず遺言者のメリットとしては、自筆証書の滅失や損傷を防ぐことができ、相続関係人による隠匿なども防ぐことができます。遺言書の原本が法務局に保管され、変更したい時は何度でも書き換えが可能です。
一方、相続人のメリットはどうでしょうか。
通常の自筆証書遺言や秘密証書遺言、封がされていない遺言書は、相続発生時(遺言書を書かれた方がお亡くなりになった時)、開封前に家庭裁判所の検認手続きが必要です。検認手続きを受けずに発見者が勝手に開封してしまった場合、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。これは遺言書の偽造や変造を防ぐための手続きであり。法律で定められています。
これに対し、法務局保管制度を利用している場合は検認手続きが必要なくなります。
通常であれば、相続した預金口座を自己名義に変更する場合、遺言書と裁判所の検認済証明書が必要になります。法務局保管制度を利用している場合は、法務局から証明書を取得するだけで済みますので、相続人の負担はとても小さいです。
この他にも、予め依頼しておけば、相続が発生したことを相続人や受遺者に知らせてくれます。
公正証書遺言は証人が2人必要であったり金銭的にも負担が大きかったりとハードルが高いイメージがありますが、この自筆証書遺言書保管制度は手数料3,900円の納付で済みますので、その点でも取りかかりやすいと思います。
法的に有効な遺言書は、ご自身が亡き後も分身としてご家族を守ってくれます。
ご自身でなさるのが大変である場合は、行政書士がお手伝いすることも可能です。
自筆証書遺言書保管制度、ぜひご検討ください。
▼法務局サイトより