長崎県、ドローン特区に指定。今後のドローン物流の発展に注目です。

2024.6.19
人手不足と高齢化社会を見据えた省人化対策として、物流ドローンへの注目が高まっています。
災害時に道路が寸断された場所でも、ドローンであれば物資を早く届けることができます。訪問診療が行き届かない過疎地であっても、オンライン診療とドローンによる医療品の運搬が叶えば安心です。山奥の個人宅への郵便物の運搬など、実際に実証や運用が始まっているものもあります。
さて、最近長崎県がドローン特区として指定され、一定条件下で型式認証なしでのレベル4飛行が可能になるとのニュースを拝見しました。人々の生活圏の上空をドローンが物を運搬する場合、当然操縦者の目視外の飛行になることが想定されます。このように操縦士や補助者以外の第三者(人や物)の上空を、目視外かつ補助者の配置なしで飛行させる場合、レベル4飛行に該当します。
レベル4はドローンの飛行レベルの中で最も難易度の高い飛行形態であり、操縦者は国家ライセンス(一等無人航空機操縦士)を取得している必要があったり、安全確保のために様々な運行管理体制の構築が必要になります。
今回、長崎県はこのような厳しい要件の一部が緩和されるドローン特区に指定されました。レベル4飛行の迅速な導入や柔軟な許可取得が可能となり、街中の会社や自宅など具体的に生活に即した場所へのドローン配送サービスが可能になると考えられます。
日本一多くの離島や多くの半島地域を抱える長崎県がリードする形となり、日本のドローン物流の実質的な社会実装に向け大きな一歩となることが期待されます。
目の前に迫った、ドローン物流や空飛ぶクルマの実装社会。そのためにも日本や世界全体で人々の知識と安全意識が向上し、それぞれのフェーズにおいて安全が第一に守られ、良い形で人々の生活の一部となるよう元航空会社社員として願うばかりです。